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地獄脱出大作戦 その1  ~紆余曲折シリーズ

「かいてかいて」地獄脱出大作戦。
的を絞った2つのこと。
それはいたって単純なことです。

① のんさん自身に何が何でも描いてもらう!

けれど、やみくもに「描け!」っと言って描けるようになるものではありません。

こういうときは、専門家に頼る。これにつきます。

その頃、隣の市の有名は療育センターにOT、ST、外来保育を受けに通っていました。
それぞれ、月に1度のペースで。

ちなみ、OTとは、作業療法のことです。STとは、言語聴覚療法のことです。
STは、日本語になおすと、想像がつきますよね。

作業療法が、いまいちピンとこないかと思います。
作業療法は、簡単に言うと、
日常生活活動ができるようになるためのリハビリをしてくれる・・・
と想像したらわかりやすいかと思います。

対象が子どもの場合は、おもに遊びを通して行うので、一見、遊んでるだけのように見えることもあります。
なので、お母さんによっては、STを重要視されて、OTを途中でやめたりする人もいますが
私は、STと同じくらい大事だと思っています。

話は戻りますが、
そこは有名な療育センターで、利用者が多く、
月1しか通えないので、なんとかならないかなあと思ってた矢先に、
ラッキーな状況が舞い込みました。

母子通園していた療育施設に併設してる病院で、OT、STの先生が増員されることになったのです。
(それまでは、OTの先生が一人おられるだけだったので、隣の市まで通ってました。)

増員されてからは、OTとSTをそれぞれ週に2回ずつ受けることができました。
(今現在は、利用者が多くて、恐らくムリだと思います)

当時は、まだ利用者も少なく、
OTの先生ともゆっくり話をする時間と余裕が、ありました。

なので、「かいてかいて」地獄脱出大作戦会議をしようともちかけて、
なんとかのんさんが自分でお絵描きができるようにプログラムを考えてもらいました。

このOTの先生には、心の底から感謝しています。
おそらく、当時大学を出られてまもないくらい若い先生でした。
私の無謀な大作戦に対して、専門家として
熱心に協力してくれました。

なので、私もただお任せするのではなく、
私自身も、1つ1つの活動がなぜ必要なのか、
どういった効果が期待されるのか、学ぶようにしました。

そして、家でできることは真似してやってみる。

リハを受けていても、
なかなか自分で描けるようにはならないので、
代わりに描いてあげる時間も多かったですが、
あせらずに気長に考えるようにしました。

そのときに、気を付けていたこと。

「描き上げる最後の1本をのんさんに描かせること。」

S__2441322.jpg

のんさんが描けそうな最後の1本を描かせることで自分で描いた感を味あわせる作戦にでました。

最後の1本が描けたら、最後の2本。
2本描けたら、最後の3本。

気の遠くなる作業でしたが、確かな手ごたえを感じました。

地獄からの脱出大作戦。
2年半、3年くらいかけてようやく
自分で描くことに自信がもてたのんさんは、
少しずつ自分で描くということをはじめました。

つづく (もう一つはまた・・)










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絵を描くことをお仕事に~(紆余曲折シリーズではないです。)

先週の土曜日に、のんさんグッズのネットショップをオープンさせました。
お買い上げ、第1号のお客様からお写真が届きました。
のんくま缶バッチをお買い上げいただいて、お部屋に飾って下さってます。
お買い上げ第1号

のんさんの絵が、遠くにお住まいの方の手に渡り、息づいている。
のんさんの思いが人の手に渡っている。
「感動」の一言です。

のんさんが、毎日思いを乗せて、描いてる絵たち。
絵を描くことが大好きで、毎日毎日描いている。

この果てしないパワーが、これからのんさんが社会で生きていくうえでの
力にならないだろうか?

これが仕事として成り立たないだろうか?
これが、社会とのんさんを繋げていくことはできないだろうか?

この可能性を、可能性のまま終わらせたくなくて、
今、必死でNONLABをやろうとしています。

のんさんの絵を、思いを、社会に出していきたい。
と、同時に、大好きな絵を描くことを彼のお仕事にできたなら。

のんさんは、高校1年生。
もう2年で社会へと踏み出します。

今現在、福祉就労を目指して
日々学習し、実習を重ねたりしてします。
現実的には、将来、B型作業所と呼ばれる事業所で就労できたらと
思っています。

就労継続支援B型事業とよばれるもので、
ひらたく言うと、
一般に就職できない、かつ雇用契約のもとで働くのも
難しい人に対して、働く機会だったり、生産の機会だったりを
提供、支援する事業のことです。

B型作業所で就労すると、労働対価が工賃として支払われますが
工賃の全国平均は月に1万4000円ほどと言われています。
地方では、工賃が1万円に満たないのが現実です。
さらに、福祉サービスの自己負担金を払って労働するという
なんとも不思議な働き方をします。

お仕事の内容も、内職的な仕事を想像してもらえば分かりやすいかと思います。
実際、先日、のんさんが実習に行った先では、
ホテルのアメニテイグッズを袋に入れたりするお仕事でした。

福祉と繋がっていくことも大事です。
でも、一般社会ともきちんと繋がっていきたい。

繋がるツールとして、絵を描くこと=お仕事
という形があってもよいのかなと思っているのです。

好きなことに向けるものすごいエネルギーを
お仕事に変換させたら、すごいんじゃないのかな?と。

のんさんの、絵を描くことをお仕事に。
NONLABはこれから、日々奮闘していきます。










「かいてかいて」地獄のなかに見えてきたもの  紆余曲折パート2

「かいてかいて」地獄に突入しても、
最初のうちはまだよかったです。
とりあえず、のんさんのお気入りのマークやロゴを
そっくりに描いてればよかったのですから。

しばらくしたら、同じように描いていても
のんさんがギャーギャー言い出しました。
「ちがう!」と言ってるのは、見てとれるのですが、
具体的に何がどうちがうのか、さっぱりわかりません。

ああでもない、こうでもない。
ひたすら考えました。何が違うのだろう??
最終的に、これが違うらしいというのが判明しました。

①色が違う。
②形が違う。
③のんさんの頭の中で、勝手なアレンジが展開していた。

①について
画材は基本的にはサクラクレパスを使っていました。
でも、我が家にはいろんなメーカーのクレヨンがあり、
私は気にせずに使っていました。それがいけなかった!
のんさんの、「赤」はサクラクレパスの「赤」だったのです。
他のメーカーの「赤」はのんさんの「赤」じゃなかったようです。
色や、紙に書いた時ののび具合、発色のしかた、
そこの違いが気になっていたようです。
↓例えば、これの違いが気になるようで。
のんさん赤

②について
例えば、丸を描いたとして、ちょっとでも
丸が伸びると、のんさんは楕円とみなしたようです。
四角を描いたとして、
辺の長さが違えば、長方形や台形とみなしたみたいで、
視覚優位故の形へのこだわりがあったみたいです。

ちなみに、のんさん、会話できませんが、
5歳くらいのときの健診か、発達検査で
□の形を見せられて、
「これは?」と聞かれ
「正方形」と答えて、心理士さんが
びっくりしてました(笑)

③について
のんさんは、はじめはその通りに描いてもらうことが
楽しかったようですが、しばらくしたら、
自分なりに頭の中でアレンジが加わったようで、
そのアレンジしたものを描いてほしかったようです。
さすがに、これはエスパーでもなければ、わかりませんよ、のんさん。

こんなことが、だんだんわかってきて、
これは、私が描いてあげるのはムリだとあきらめました。

そこで、ある2つのことに的を絞ってやりはじめました。

つづく

のんさんが絵を描くようになるまでの紆余曲折

障がい児のお母さんの中には、育児がものすごく大変って言われる方と、
そうでもないよって言われる方がいます。
実際、障がいの内容によって大変さが全く違うので、大変さを比べることはできず、
お母さんの受け取り方の差も、この発言の違いを生むのだと思います。
あと、周りの環境。家族の助けが得られるのか、そうでないのかは大きい違いです。

あと、大変さに慣れてしまうということも。
人間って、恐ろしいことに、「慣れ」ってのがあるんです。
はたから見たら、ありえないくらい大変そうなことも、
本人からしたら「え?そうでもないよ」みたいなことは多々あります。

でも、客観的にみても、物理的に大変なことが多いです。
それは、まぎれもない事実。

そういったことをふまえて、のんさんの絵の話なんですが
のんさんが自然に絵を描くようになった・・・ということはありません。
何もしてません。才能なんです~。勝手に描いてて~
なんてことは、まずもってありません(笑)
小さい頃は、筆圧も弱く、まずもって、じっとしていないので、
絵を描くなんてもってのほかでした。

自閉ちゃんあるあるで、とにかくお店のマークやロゴが大好きで、
いつまでもじーっと眺めている。
外の看板だったり、大きい商業施設なんか、ゴミ箱や自動販売機にマークがあったりするので、
それらをじーっとみつめて、ときに、にやにやしながら見続けるのです。
ほんとに、ずっと。ずーっと。
ゴミ箱をひたすら見つめる幼児。
本人抱えて動かそうものなら、この世の終わりとばかりに泣きわめき、
パニックへ。

外での買い物ができなくなります。

外で見つめられ続けたら生活できないので、
打開策として、新聞広告、ちらしにあるマークを切り抜いてそれを持たせてました。

また、外の看板も好きなので、それを写真に撮って、ラミネーターでカードにして
持たせたりしてました。(これも自閉ちゃんのお母さんにはあるあるでしょう。
あ、でも、最近はスマホアプリでどうにでもなる時代ですかね。うらやましい)

あるとき、大事にしていたロゴの切り抜きがなくなり、のんさんがパニックになったので、
あわてて私が絵に描いてごまかそうとしたんです。

そうしたら、絵に描いてもらう、自分の好きなマークを絵に描いてもらうことの楽しさ、
絵が目の前で描かれることを眺める楽しさにはまったようでした。

ここから地獄の日々が始まります。
朝から、晩まで、「かいて、かいて」がはじまりました。
自閉さんのこだわり、しつこさは想像を超えますよ。

最長8時間。描きました。
途中、のんさんの思う通りに私が描けなくてパニックが続くことも。

ああ、だめだ。このままでは、生活が成り立たない。
こう思ったことが、新たな一歩のはじまりでした。

つづく
201701241ef.jpg

01/23のツイートまとめ

shizunon3

nonlabASD(自閉症)の作家nonが生みだす不思議なアートとそれを支援するnon labのコラボグッズを取り扱うSHOPがオープンしました!! https://t.co/UOmeyCwQjW
01-23 15:11

「なんかこわい」そう言われたことが今となって

「なんか、この子気持ち悪い。」
「ねえ、ちょっとなんかこの子こわくない?」

のんさんがまだ3~4歳のころ、近くの公園の砂場で遊んでいるときに
同じく砂場で遊んでいた小学生くらいの女の子が、のんさんを見て言いました。

そのころ、ちょうど障がいの診断がついた頃で、私自身、まだそのことを十分に受け入れることができていない状況でした。なので、相当ショックだったのですが、
今、思えば、その女の子の発言もその子の素直な気持ちだったのだろうと理解できます。

たまたま、このときはじめて、障がいをかかえた子どもを目の当たりにしたのでしょう。
見た目は普通の子なのに、遊び方が異常な光景に見えたのでしょう。

私自身も、のんさんが生まれるまでは、障がい者の方々とは積極的に関わらず生きてきました。どう接してよいかもわからず、わからないから、関わらない・・・といったスタンスでした。

わからない、知らないことを怖いと感じることはよくあることです。
知ってしまえば、なんてないことも、知らない恐怖ってありますよ。ほんとにこわい。
だから、知ってもらうことがいかに大事かと、今は身にしみて思います。

のんさんの絵(アート)が、のんさん自身を知ってもらうアイテム、ツールになれば・・・こわいなんて感情はうまれないはず。
ならば、知ってもらうために
外へ出さなければ。
あれから、10年以上たって、やっとそう思えるようになっていました。

このように、漠然と思っていたことを、昨日参加したセミナーで言葉として耳にしました。
「魅力的なコト/モノづくり in大分~障がいのあるひとたちのアート活動の可能性」
で、お話されていたNPO法人まるの樋口さんの言葉。

「作品が社会にアウトプットされ続けることで、社会が変わり、家族が変わる」

これだ。なんとなく、やろうとしていたことはこれだ。
はっきり言葉にできてなかったし、考えとして頭の中できちんと構成されてなかったけど、
これだ、これなんだと。自分の中で、すとんと落ちるものがありました。

NON LABる はじめました

はじめまして。shizu と申します。

うちには、「のんさん」という息子がおりまして、
のんさんは、毎日、何か描いてます。

何かと申しますと、のんさんがこれまで目にしてきたものたちを
思い出しながら描いているみたいです。

思い出すときに、のんさんの「思い」みたいなものも
一緒についてくるみたいで、

のんさん曰く
「ぼくのえは、ぼくのきもち」らしいです。

のんさんは、あまりおしゃべりができないから、
絵を描くことで、言葉にできない「思い」ってやつを
表にだそうとしてるんだと思います。

「思い」たちは、これまで
押入れの奥深くに眠っていました。
たくさん、たくさん重なって。
段ボールの中だったり、紙袋の中だったり。

あるとき、私は、折り重なったそのものたちを
外の世界に出すことを思いつきました。

そのきっかけは、のんさんの同級生のママさんとのたわいもないおしゃべりのなかにありました。

「のんくんの絵、なんやろ、すごい好きなんよな~。こないだ、教室に貼ってたよな~」
「え~なんかよくわからん絵描いてるのに?」
「なんかわからんけど、おもしろいとこ、うまいこと描くな~って。○○(同級生)も
のんくんは絵が上手だよな~ってしみじみ言いよったよ」
「ほんと~?(やや疑いの念あり。」


また別の日のおしゃべりのなかに。

「のんくんの絵を見てたら、なんかいやされるわ~」
「ほんと~?ありがとう。」
「だってさ、みんな笑顔の絵やもんね。にっこりしてるのが多いけん、そう思うとかな」


このときに、大量に押入れに眠っている、半分ゴミ化している「思い」たちは、
もしかしたら、人を笑顔にする力があるのかもしれない、そう思いました。
すべての人にその力が発揮されるわけではないかもしれないが、
どうやら、その力を欲する人もいるらしいのは確かだ。

ならば、外に出してやろう。
思いっきり遠くまで出してやろう。

押入れでゴミ化してて、
ゴミならば捨てればいいのに、
未練がましく残しておいた「思い」たち。

でも、どうしていいかわからず、困っていたら、
今度は、私の思いを拾ってくれる人がいました。

このおたすけマンがある人を紹介してくれました。
ある人に、のんさんの絵を見てもらおうと。
相談してみようと。

あるひとは、のんさんの絵を見て
「すごいよ!すごくいいと思うよ!きれいな絵を描く人はいっぱいいるけど、
この子の絵はすごくおもしろいよ!」とほめてくれました。

この言葉と、反応に後押しされて、
私は、おたすけマンと一緒に、のんさんのアート支援をしていこうと決心しました。

このときが、non lab が生まれた瞬間でした。

テーマ : ブログを始めてみました
ジャンル : ブログ

プロフィール

non labスタッフ

Author:non labスタッフ
ASD(自閉症)の作家
のんさんは、絵を描く喜びを
知った時から、生活の一部の
ように、絵を描き続けています。

のんさん曰く
「ぼくのえは、ぼくのきもち」

独特な彼の目線から、切り取
られ、描かれる、なんとも不
思議な世界がそこに広がります。

そんなのんさんの、
思わず笑顔になれちゃうよう
な作品たちやグッズにしたも
のたちをみなさんにお届けで
きたらと思います。

わたしたちは、
のんさんのアート活動を
支援するスタッフです。

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